「大丈夫じゃないんだ」(2014/2/9: メルマガから転記)


サンタバーバラでの年明け。 新しいパーナーシップに、かなり不安を感じながらの3週間でしが、はじまってみると、すごくのんびりと、

快適な時間を過ごしていました。

しかし、あと数日で帰国というとき、 私の不注意から、バスルームにあった

高さ70cmはある鏡を落として 割ってしまったのです。

ドアを閉めたとたんに、ガチャンという音。 あわててドアを開けると、粉々になった 鏡が床に散乱。

ぼーぜんとして立ちすくむ私。

そして、すぐ浮かんだのは、自分で自分をせめる言葉。

「ちょっと楽しくて調子にのってたんじゃないの? ほら、こんな失敗しちゃって。浮かれてたのよ! すべてがうまくいくなんてありえないんだから。」

そしてお次は、

「安定性がなくて、いつか落ちると思ってたのよ!」

と、自分のせいじゃないという声。

音にびっくりして飛んできた彼も、 散乱した鏡にショックを受けた様子。

「ごめんなさい」としか言えない私に

「とにかく片付けさせて」

と、無言で片付け始めた彼の背中に、なんだか冷たささえ感じてしまう。

「何が起きたのか話して」

としばらくして、聞かれたわたしは、

「タオルをとりかえていたら、不注意で落としてしまったの」

と事情を説明しました。

少し落ち着いた様子の彼は、

「しょうがないよ。あの鏡は、安定してなかったから、 自分も何度か落としそうになっているし、気にしなくていいよ」

と言われ、少しホッとしながら、埋め直しをするように、掃除機をかけたり 部屋の掃除を、バタバタと始めた私。

でも、そのときの頭のなかには、

「最後にこんなことが起きるなんて。 やっぱり、うまくいかないんだ」とか

昨年、離婚した理由を、なぜだかまた問いただし始めたりとか、

「いつも自分が悪いんだ!」

という、感情と思考が、ネガティブに動き出していた。

そんなとき、ふと彼が、

「ちょっと時間が空いたから、30分昼寝をしよう」

と急に提案。時間は、午後2時。

「えっ??眠たいの??」

と、唐突だなと思いつつも、ゴロン。

腕枕をしてもらいながら、背中をふわっとなでられていたら、

いつも力が入ってしまう、胸や鎖骨、首の辺りに

すごく力が入っているのに気づいた。

「あぁ。。。思っていたより、私、鏡が割れたことショックだったんだ。」

と思った途端、なぜだか急に、涙がでてきた。

涙だけが、ほろほろと流れた。

感情的に泣くのではなく、 涙がただ、目から流れ出ていくそんな感じ。

彼は、そんな私に気づいているのか気づかないのか、 ぎゅっと抱きしめるのでもなく、 言葉をかけるのでもなく、 ふわっと羽のように、 優しくただそこに居てくれた。

押しつけじゃない、 こういう在り方をしてもらうのは、 物心がついてからないかもしれない。

どこかで、

「わたしはここに居るよ」

とか

「大丈夫だよ!」

というアプローチを受けたり、与えたりが多いから。

息がどんどん深く胸に入ってきて肩の力が抜けていった。

「あぁ。。こんなふうに、トラウマって 簡単に身体のなかに刻まれていくのだな」

と、こうやって、優しく身体から 緊張を解いていけることを、深く感謝した。

そして、呼吸や涙が、 恐怖や恐れを解放してくれるのを 身体全体で感じた。

こんなふうに、私を抱きしめてくれる存在は 大人になってからいなかったかもしれない。

かならずどこかで、「自己主張」を感じることが多いから。

そして、自分もつねに、自己主張してきたから。

でも、それが悪いわけじゃなくて、 自己存在を感じることが、お互いに必要だから、 しょうがないのだ。

そして、いかに普段、自分がショックを受けたり、 傷ついた時に、大丈夫なふりをして、 その場を過ごしてしまっていたかに気づいて驚いた。

いろんな経験をして、自分はかなり強い人間だと自覚していたけれど、 本当は、子供ように、すごく傷つきやすいんのだとあらためて認識した。

自分はここに共に居ながら、自己主張しない。

相手を受け入れるのでも、自分を受け入れるのでもなく、ただただそこに共に居る。

こんなふうに自分も在りたいな、と心底感じた。

彼は洗濯の続きをするために、30分後にベットから抜け出ていった。 なんか、ちょっとさみしいような気持ち。

すると、小さなくまのぬいぐるみを手に戻ってきた。

私の腕にくまを抱かせて、毛布で一緒にくるんでくれた。

私はもう少し、そのまま毛布にくるまっていようと思った。

 DIVINE LIGHT